中小企業診断士/PRプロデューサーの米澤智子です。
広報PRというと「プレスリリースを書くこと」と思っている方も多いのではないでしょうか。
もちろん広報PRの仕事はそれだけでなく多岐に渡ります。
一方で、メディア取材を獲得するうえで、プレスリリースを書き、メディアの方に届けるというお仕事は、広報PRのなかでも多くの部分を占めるお仕事ともいえます。
しかし、私が支援させていただく方からは
●プレスリリースを書いて送ったけど、反応が全くない!
●プレスリリースはどうやって書けばいいのかわからない!
●反応がないのであれば、送っても意味ないのでは・・・
というお声もよくいただきます。
プレスリリースは、「ただ漫然とお知らせを書く」だけでは、取材につながりません!
私が実際に、自分が運営する本屋うさぎ道で開催するイベントでプレスリリースを作り、メディアに向けて発信した際は、たった1枚のプレスリリースで8件の取材につながりました。
今日のブログでは、「メディアが取材にくるプレスリリース」の書き方をお伝えします!
2つの「なぜ」が必要
プレスリリースは、万全と「発表したいこと」を記載しても、メディアは取材に来ません。
メディアが「なぜ取材したくなるか」という要素を抑えて書くことが必要です。
メディアが「取材したい!」と思うポイントには「2つのなぜ」があります。
なぜ「今」
1つ目は「なぜ今」です。これは季節性要素とも言われます。
メディアが取材するには「メディアの読者が知りたい情報」であることが求められます。その中の一つの要素が「今」読者が知りたい情報であるかどうかです。
この「なぜ【今】」を考える切り口としては、次のようなものがあります。
記念日(◯◯の日)
日本記念日協会のHPが参考になります
3月の場合だと、防災関連のトピックスは、東日本大震災(3.11)があることから注目されやすいです。
私が本屋うさぎ道で開催したイベントは2022年の12月に開催しました。これは、翌年から干支が「兎年」になることから、うさぎネタがトレンドになる時期とみて、あえて12月にしたのです。
結果、1月にはいってから連絡を受けたものも含めて、8件の取材を受けることができました。
今世の中で注目されているトレンド
新聞でよく出てくるキーワードが参考になります。
私は中小企業診断士としても活動しているので、広報PRの案件も、中小企業の経営に関することが多いです。
その際に参考にしているのが、中小企業庁が発行している「中小企業白書」。
この中小企業白書には、国(経済産業省中小企業庁)が「これが今、日本の中小企業が解決すべき課題です」と解説している本なんですね。本を読み進めると、「このようにうまく課題を解決している中小企業があります」と事例もあります。
国が優先的に解決すべきとしている、課題やトレンドがこの1冊につまっているのです!!
中小企業の広報PRをするかたは、この「中小企業白書」がトレンド分析に役立ちますよ〜
本文は大変なボリュームなので、この「概要版」が入門におすすめです。(リンク先は2022年度版)
なぜ「あなたが」
「なぜ今」だけでは、残念ながらメディアが取材にくることは難しいです。
さらに「なぜ【あなたが】」やっている取り組みであるのか」を伝えることで、他の類似する取り組み、他社との取り組みとの差別化ポイントを伝えることができます。
過去にあった「つらい」経験が行動の源泉になることも
この「なぜ【あなたが】」を掘り下げるポイントとしては、「過去にあった経験」を掘り下げてみること。
自分自身をその行動に結びつけているのは、過去になにかきっかけとなる出来事があることがほとんどです。
例えば、私が過去取材で「なぜ(それを)やっているのか」というきっかけを掘り下げたとき、このようなエピソードがありました。
これらの経験は、人生ヒストリーの波でみると、どちらかといえば「マイナス…悲しい、つらかった出来事」であることが多いです。
なにか悲しい、つらい出来事があったことが、その人の行動の源泉になっていることが多く、感慨深いです。
本屋うさぎ道の「なぜ私が」
私が運営する「本屋うさぎ道」のイベントリリースでは、「なぜ私が」という点について、次のようにまとめました。
このストーリーがあることで、単に「うさぎさんの本屋です」というだけでなく、「共感」がうまれませんか?
記者さんに共感いただけるかどうか、思いを込めてプレスリリースを書こう!
メディアの記者さんに「取材したい」と思ってもらえるかどうかは、プレスリリースを読む記者さんに「共感」いただけるかどうか。
「共感」いただけるかどうか考えると、単に「●月●日にイベントをやります!」だけでは、共感いただくのは難しい…とご理解いただけるのではないでしょうか。
私が広報PR支援をさせていただく際は、特に2つ目「なぜあなたが」のストーリーを、これまで20以上の経営者インタビューで培った取材力で、ヒアリングさせていただいております。
みなさん、必ず宝物のようなストーリーをお持ちで、心が揺り動かされます。
みなさんも、「なぜ今」「なぜあなたが」の視点をもってプレスリリースをつくってみてくださいね。